新しい試みとしては、トヨタ自動車工業や中部電力など、中部地区の財界が提唱して二〇〇六年に創立した、愛知県の海陽学園があります。英国の名門イートン校をモデルにし、リーダーに必要な人格・学力を養成することを標榜した男子の全寮制中・高一貫校です。教師と企業から派遣されたスタッフが、住み込みで指導にあたる方針です。先行きが注目される新しい私学といえましょう。受験優先のカリキュラムを組み、徹底した受験指導を行なう学校がある反面、麻布、武蔵、女子学院のように、校則なし、本人の自主性を重んじる、という校風のもと、受験のための授業などほとんどしない学校もあります。旧制中学の流れをくむ武蔵は、校長自らが、「わが校は、生徒の自主性を尊重する自由な校風の学校ですが、規律と秩序を重んじる教育はご家庭でしていただきたい」と語る一方で、「うちの生徒は、東大へはかなり入っているようですが、東大受験のための学校ではありませんからお間違えのないよう」と公言していた学校です。