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通訳のいらない日本語の講演

2011年08月12日

通訳のいらない日本語の講演を聞きにいったとします。そこで演者が原稿を読み上げたら、いったいどのぐらいの人が本当に熱心に聞くでしょうか。ぶつぶつと、あるいはとうとうと読みあげられる原稿は、いつしか居眠りや白昼夢のBGMになってしまいませんか。なるほど、ときどきはっと思い出したように何か情報が耳に入ってくるでしょう。でも聴衆と演者の関係は、「私」と「あなた」という相向かい合うコミュニケーションの関係ではなく、「彼」あるいは「彼女」が何かしゃべっているな、という静的で無機質なものに留まっています。原稿を読んでいる演者の頭のなかでは、その間創造的活動が行われていません。創造的活動不在のところでは、コミュニケーションは成立し得ません。反対に、そのテーマについては原稿が書けるぐらいよくよく考えたという人が、原稿の棒読みではなく、メモを見ながら話したとします。たしかに話し方にムダがあったり、途中で詰まったり、忘れていたことを急に思い出してあわててつけたしたりと、決してスムーズにいかないかもしれません。でも、それだからこそ適度な緊張もあって、聴衆は居眠りなどしている暇がありません。